VOA村の冒険

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東京大学理学部物理学科について

こんにちは。みしぇるです。

今回は私が所属している東京大学理学部物理学科について紹介しようと思います。

というのも、僕は進振り前にTwitterでこんなツイートをしていました:

  • 現象論をやりたいなら理物(理学部物理学科)、数理物理をやりたいなら理数(理学部数学科)がお薦めである

その根拠として

  • B3は実験で数学をやる暇があまりない
  • 数理物理をやっている先生が少ない
  • AQFTのように物理っぽく聞こえるが数学に行かないとできない分野がある
  • 物理→数理よりは数理→物理のほうがまだ簡単そう*1

その後補足として

  • 理物には素晴らしい先生がたくさんいる
  • 数学をやる暇がないといっても代数解析幾何の基礎をやる時間くらいはある
  • 自分のツイートは数理物理という特定の分野に強い思い入れがあるという限られた層に向けたものである

ということを言いました。

上記のツイートの中でも特に「数理物理やりたいなら理数」「実験で数学をやる暇がない」のツイートがそこそこ拡散されました。このせいで理物のネガキャンに一役買ってしまっていたら嫌だなあと思ったので、お薦めであるとかではなくて単純に理学部物理学科がどんなところであるか紹介したいと思います。

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カリキュラム

H29年度カリキュラム(学部) — 東京大学理学部物理学科・大学院理学系研究科物理学専攻

B2冬~B3冬で古典力学/電磁気学/量子力学/統計力学の基礎が必修になります。またB3は週1でプログラミングと週3で午後実験があります(正確には実験を行う期間とレポートを書く期間が交互に来ます)。このためB3が一番忙しい時期になりますが、B2とB4もそこそこ忙しいです。ただし、B2は数学科や教養学部の授業に潜る時間はあると思うし(私はやらなかった)、B4は研究室見学に行ったりする時間があります。私の場合B3は週3でバイトしていたこともあり徹夜が多かったです。

誤解のないように言うと、物理を理解しようとする上で実験は(理論系の人間にも)必要だと思います。それに私のように実験系に行く気がない人間でも、きれいなデータが出ると嬉しいものです。ただし、数理物理学と呼ばれる分野の一部、それもかなり数学寄りの分野(たとえばAQFTはある性質をみたすvon Neumann代数の理論)を志す場合、B3の時間のかなりの部分を実験に費やすことが良いことなのかはわかりません。当たり前ですが得られるものと得られないものとがあるわけで、ここはよく考える必要があると思います。(繰り返しになりますが単純に物理をやりたくてこの学科に来るならば実験もやるべきだし間違いではないと思います)

また、授業だけ見れば工学部物理工学科の方が若干進みが速いようです。しかし授業より進んで勉強したいことがあれば自分で勉強すればいいのでこの点は関係ないと思っています。

物理工学科との違いをもう一つ挙げておくと、理学部物理学科には卒業研究がありません。代わりにB4で理論演習/特別実験という授業で研究室にお世話になり、輪講や実験をします。研究室にもよると思いますが、僕は結構大変に感じました。

研究室

大学院:専攻教員一覧 — 東京大学理学部物理学科・大学院理学系研究科物理学専攻

研究室には理論系と実験系があり、実験系の方が多いですが、物工(物理工学科)などと比べるとかなり理論研究室が多いです。また、理物→物工や教養で理論系というルートも少なくないようなので、漠然と理論物理がやりたい人は理物に来たらなんとかなる気がします。

学科を選ぶ際に自分がどんな研究をしたいか考えると思いますが、その際に是非どういう研究室があってどういうことをしているのか少しでも調べてみてください。たとえばひとくちに素粒子理論と言っても現象論をやっている方や超弦理論をやっている方がいらっしゃったりするわけです。そういうふうに細かく見ていけば、自分のやりたいことができる研究室がありそうかどうか考えることが出来ると思います。もちろん、最終的には研究室訪問などをする必要があると思いますが。まあ漠然と物理がやりたい人は学科で生活する中でやりたいことが定まってくると思います*2。また、数学が好きな人は理数の研究室も合わせて見てみることをおすすめします。たとえばAQFTやVOAの研究室は数学にしかありません。

学生

理物にはどんな学生が来るのか。他の学年は知りませんが*3、私の代は全体的に優秀なイメージです。中には私のような者もいますが、優秀な人がたくさんいることは確かです。私はこの点だけでも理物に来てよかったと思っています。

学生どうしで議論が躊躇いなくできる風潮があり、よく授業が終わったあとの教室とかで議論が起きています。周りの優秀な学生に疑問をぶつけて議論できるのは非常にお得です。また、B2~B3くらいの時期には自主ゼミが何個も立ちます。私は自主ゼミで集合位相/Lebesgue積分/確率論/関数解析/連続群の表現論を学びました(他にももっとあった気がする)。やればやるほどいいというものではありませんが、得るものは多いです。

また五月祭(東大の文化祭)ではB4がやりたい実験等を表明し、B3と協力して展示まで持っていくというイベントがあります。私は助っ人でパネルの説明をするくらいしかしませんでしたが、学生主体で一から何かするというのは良い思い出にもなるんじゃないでしょうか。しかも勉強の機会にもなるし。ちなみに五月祭準備の段階でもゼミが立つことがあり、たとえば私は場の量子論/トポロジカル絶縁体/量子測定について学びました。

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というわけで物理学科の紹介終わりです。進振りで物理学科に出した方、どうですか? 物理学科に出して正解だったと思った方、おそらく現時点で誤った選択はしていないと思います。がんばって物理を勉強してください。物理学科に出して失敗だったと思った方、心配しないで下さい。上に書いたのはあくまで一学生から見た像ですので、入ってみたら聞いたのと全然違った、というのは十分あると思います。気楽に行きましょう。そしていないとは思いますが、私のツイートに影響されて志望を変えたがやっぱり物理学科に出しておけばよかったという方、Twitterをやめてください。

それでは。

*1:これは今思うと非常に適当なことを言っている。

*2:私の場合は先生と話をする中で定まってきました。人と話をするのは大事です。

*3:皮肉ではなくて本当に関わりが無くて知らない。