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VOA村の冒険

漫画、音楽、お絵かき、物理、数学とか

Fock空間、面白そう

みしぇるです。今日、新井朝雄先生の『フォック空間と量子場上・下』(以下[新井])を買いました。もちろんちゃんと読むのはこれからですが、内容をパラ見しただけでも面白そうな事実をたくさん発見しました。特にFock空間の位置づけについてシェアしたくなったので軽率に記事にします。

Fock空間は物理を学んでいる者にとってはおなじみの存在だろう。しかし数学的にはどのような対象だろうか?

まずHilbert空間 $\mathcal{H}$ に対し全Fock空間 $\mathcal{F}(\mathcal{H})$ を \begin{align*} \mathcal{F}(\mathcal{H}) = \bigoplus^\infty_{n=0} \bigotimes^n \mathcal{H} \end{align*} により定義する。ただし $\bigotimes^n$ は $n$ 重テンソル積を表す。

[新井]によれば $\mathcal{F}(\mathcal{H})$ について以下の事実が成り立つ。

  • $\mathcal{F}(\mathcal{H})$ はHilbert空間になる。
  • $\mathcal{H}$ 上の可閉作用素から $\mathcal{F}(\mathcal{H})$ 上の閉作用素を作れる。これは物理で第二量子化と呼ばれるものである。
  • Hilbert空間→Fock空間、作用素第二量子化の対応はHilbert空間の圏 $\mathbf{Hilbert}$ からFock空間の圏 $\mathbf{Fock}$ への関手となる。

以上を見てみると、全Fock空間というのは「無限次元のテンソル代数」だと考えられるだろう。実際、外積代数に対応するものとしてフェルミオンフォック空間、対称積代数に対応するものとしてボゾンフォック空間を定義できるのである。

私はFock空間に対して得体が知れないという印象を持っていた。しかしこうしてみるとFock空間は数学的にも非常に自然で、普遍的な概念であるようだ。Fock空間に関する色々はHilbert空間論の教科書に載っていたりするのだろうか? そもそもHilbert空間論の詳しい教科書を知らないので、知っている方がいたら教えてください。