VOA村の冒険

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みしぇるの数学ノート①:冨田竹崎理論

お久しぶりです。みしぇるです。

今回は去年の夏のセミナーの副産物としてできた(実際の発表中には見ないが、自分の理解の確認・発表練習用に作った)数学に関するノートを公開します。

本来公開する予定は無かったのですが、去年冬のセミナー・今年春にやった勉強の内容をノートに残しておきたい(忘れてしまうので……)という思いがあり、ノートの公開は執筆のモチベーションになるだろうということで、今回は既に完成していた*1セミナーのノートを公開することにしました。

つまり、今後もノートを作って公開していく予定です。(シリーズ「みしぇるの数学ノート」と銘打ちました。)

ちょっと別な話になりますが、以前このブログで「VOAと共形ネット」というシリーズの記事を書いていたことがありました。今振り返ってみるとだいぶ不正確なことも書いているし、これからのノートの内容に包含されるであろうこともあり、記事を非公開としました。

さて、夏のセミナーの内容は von Neumann 環の冨田竹崎理論です。von Neumann 環の上の faithful normal state の存在を仮定して進めています(faithful normal weight に対する一般論を知りたい人は竹崎先生の本を読んでください)。これは AQFT に興味がある人にとって丁度よい設定なのですが、この設定で Connes スペクトル周りのことをきちんと書いている文献が無いので、少なくともそこはこのノートの独自性と言えると思います。

解析学の基礎知識(+ 作用素環の基礎)は仮定してます。Finite factor 上の tracial state の存在については既知と仮定しているのに、semifinite factor 上の tracial weight の存在についてはちゃんと扱うという中途半端なことになっているのは、前者は同期がセミナーでやってくれていたからという個人的な事情によります。ご容赦ください。

間違いの指摘などがあればぜひ。

*1:Last updateの日付が今日になっていますが実際は去年の9月に作りました。